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  1. 香川県議会 2019-02-01
    平成31年[2月定例会]総務委員会[総務部、危機管理総局、人事委員会、公安委員会] 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 西川委員長  これより、総務部、危機管理総局及び公安委員会関係の審査に入ります。  理事者の説明は、21日の委員会で聴取しておりますので、直ちに質疑・質問を開始いたします。 木村委員  きょうは2点質問します。  1点目は、人権啓発取り組みにおける市町との連携についてです。  人権啓発については、県でも市町でもきめ細かく取り組まれています。私の地元のさぬき市でも毎年「じんけんフェスタinさぬき」を開催しています。また、先日も辛立(からたち)文化センターで「冬のつどい」という、子供から大人まで多くの地元の人たちを中心に来ていただいて楽しめる多彩なイベントを開催し、人権にかかわる全てのことに対して広報活動啓発活動が行われたところです。県内の市町でもこういったフェスティバルや講演会の開催などさまざま取り組まれており、県では、12月に「じんけんフェスタ」を高松で開催しているとお伺いしています。  さぬき市の「じんけんフェスタinさぬき」は、小・中学生、幼稚園児、その保護者や地元住民の皆さんなど1,000人規模の方が来ていただく大きいイベントで、開催にも御苦労があると聞いています。一方で県の「じんけんフェスタ」は、高松で開催し、お客さんは6,000人規模とお伺いしています。  県の「じんけんフェスタ」は、参加人数が多いこともありますが、高松がどうしても中心位置になるので、高松で開催することが多いと思いますが、例えば、こういったさぬき市のように毎年行っている大きなイベントを持ち回りでするとか、地元のイベントと連携したらどうかといった問い合わせもありました。そうすれば、地元の負担軽減にもなりますし、もっと踏み込んだ広報啓発ができるのではないかという御指摘もありましたので、質問します。 徳大寺総務部長  効果的な人権啓発を行う観点から、県と市町との連携は重要であると認識しているところです。そういった観点から、県では、県民総ぐるみの運動とするため、県内の全ての市町や各種団体等で構成する香川県人権啓発推進会議を設立してさまざまな人権啓発活動県内全域で実施しているところです。  主な取り組みを幾つか紹介しますと、毎年12月の人権週間人権啓発ポスターを作成し、市町のほか、県内の企業や学校、JR四国の各駅などに掲示したり、県内各地のスーパーや市民会館などで街頭キャンペーンを行ったりもしているところです。また、統一イメージで作成した啓発用資材を、市町が開催する人権啓発イベント等にも提供しており、市町の負担の軽減を図っているところです。  御提案のありました県の「じんけんフェスタ」ですが、6,000人規模の大会ということや、法務省の委託事業ということもあり、高松市以外での開催はさまざまな課題があると考えていますが、このイベント以外にも講演会、研修会、体験型イベントなどさまざまなものを実施していますので、委員御指摘の市町の連携について、香川県人権啓発推進会議の場で協議しながら、効果的な啓発となるように検討してまいりたいと考えています。 木村委員  さぬき市では、「じんけんフェスタ」の開催のほか、多くの学校に出向いて、研修、講演会、読み聞かせなど、テーマを決めて活動しています。また、最近ではLGBTなど、事案によれば、お父さんやお母さんが職場で差別を受けていて成長段階お子さんに逆に相談するとのことです。それで、お子さんが学校の先生にこういったことがあるので困っているといった話もあるそうです。学校でイベントをすることによって、話し合いができて、問題が新しく出てきたとのことです。  人権問題は多様な内容になってきていますので、教育や周知のあり方を含めた学校教育との連携について、どのように取り組んでいくのか、お尋ねします。 徳大寺総務部長  人権教育・啓発に当たっては、対象者の発達段階に応じ、人格が形成される早い段階から、人権尊重の精神の芽生えが感性として育まれるよう努める必要があると考えています。そのため、これは教育委員会取り組みになりますが、県内の小・中・高校生が障害者や外国人、ハンセン病回復者の方々と交流し、そこでの豊かな体験を通して人権感覚を高め、自分の生き方を豊かにつくり上げていくための力を身につける取り組みを行っていると聞いているところです。  総務部としては、今年度は、偏見や無理解のため、学校で心ない好奇の目にさらされたり、不当な差別を受けたりするなど困難な状況に置かれている子供たちがいることから、性的少数者の人権への理解を深めるための啓発チラシを県内の中高生全員に配布する取り組みを行っています。引き続き、教育委員会とも連携しながら、若年層を含む県民の人権尊重意識の啓発に努めてまいりたいと考えているところです。 木村委員  最後に要望です。できることとできないことがありますが、市町での人権啓発取り組みを支援する意味でも市町等との連携強化に努めていただきたいと思います。  それでは、2点目の質問に移ります。  若年者に対する消費者教育の状況について質問します。  前回の11月定例会の総務委員会ではエシカル消費について質問しました。消費者被害消費者トラブルの多くを占めるのは高齢者が特に多いと言われていますが、インターネットスマートフォンなどの普及で、若年層がトラブルに遭う事案も後を絶たないとお聞きしています。  実際に消費者庁の「消費者意識基本調査」によりますと、スマートフォンなどを生活必需品と考える若者は8割を超え、スマートフォンインターネット通販を行っている者も多く、20歳代では6割近くの若者が利用しているとの結果が出ています。  こういった背景とともに若年層は成人と比べて、甘く、怪しく、言葉巧みな誘いに引き込まれやすく、消費者トラブルに巻き込まれたり被害が大きくなったりすると考えられます。まして、改正民法が施行される3年後の2022年4月からは成年年齢引き下げられ、18歳や19歳の若者が消費者被害のターゲットになることは想像に難しくありません。
     そこでまず、現在の若年層の消費生活に関する相談状況について、お尋ねします。 小瀧くらし安全安心課長  御指摘のとおり、消費者被害は高齢者だけではなく、若年者についても一定割合あります。パソコンやスマートフォンなどの利用の際にトラブルに巻き込まれる、いわゆる「デジタルコンテンツ」に関する相談が多く見られています。  平成30年版の国の消費者白書によりますと、年齢別では29歳までの若年層は10%、大体1割程度の相談件数があります。その内訳を見ますと、全体の相談件数9万1000件のうち、「デジタルコンテンツ」に関する相談は1万9695件で、21.7%を占めています。このほか、「賃貸アパート」、「光ファイバー」など、ひとり暮らしを始めた際に契約したり購入したりすることが多い商品・サービスについての相談も上位に上がっています。  また、成人になると、「フリーローン・サラ金」についての相談が多く寄せられており、20歳代男性では特に多く、その内容は、生活費や遊興費のための借金のほか、友人や先輩、中にはSNSで知り合った人から「必ずもうかる」と勧誘され、消費者金融などで多額の借り入れをして情報商材等を購入したものの、「もうからないので解約したいが相手と連絡がとれない」などといった相談も寄せられています。一方、女性では、エステや健康食品など、広い意味での美容に関する相談が多く見られるところです。  本県における29歳以下の若者からの消費生活に関する相談の内容も、全国の状況と同じく、「デジタルコンテンツ」が多く、続いて「賃貸アパート」、「フリーローン・サラ金」となっています。  総括的な傾向を見てみますと、ちょうど20歳の若者の相談件数は、19歳や21歳といったその前後の年齢の若者と比べても多く、成年直後の若者を狙う悪質な事業者とのトラブルが多く報告されています。また、成年になりますと副業や借金、美容に関する相談が多く寄せられるようになると言えます。 木村委員  若年層の消費者被害対策については、国においては、消費者庁だけでなく文部科学省も力を入れているとお聞きしています。若年層の消費者被害を未然に防ぐためには、早い段階から被害に遭わないための知識を持つことや、予防策を備えることが必要だと考えます。そのためには、広報・啓発を積極的に行っていくことが必要であり、若年層を対象とした消費者教育が被害を防ぎ、被害を最小限に食いとめる重要な鍵になると思います。  若者は進化し続ける情報ツールを使いこなし、新たな発想で文化をつくっていく側面を持っていることから、若者へ向けた消費者啓発が適切に届けば、消費者被害を未然に防ぐメリットも大きく、万一トラブルに巻き込まれたとしても、解決に向けて自分自身で情報収集して行動を起こす力が育まれることも期待できます。  3年後、2022年の成年年齢引き下げに向けて、高校生などを中心とした若年者への消費者教育について、県としてどのように取り組んでいくのか、お尋ねします。 土岐危機管理総局長  先ほど来、お話にありますとおり、3年後に迫った成年年齢引き下げにより、18歳や19歳の方については、これまで認められていた契約の未成年者取消権の対象から外れることから、若者の消費者被害の拡大が懸念されており、成年になる直前の時期である「高等学校等における消費者教育」の充実が重要になってきていると考えています。  このため、消費者庁では文部科学省と連携して、高校生向けの教材「社会への扉」を作成しました。この教材は、契約に関する基本的な考え方や契約に伴う責任を理解し、身近な契約等を通じて、社会において消費者として主体的に判断し責任を持って行動できる能力を育むことを目的としています。消費者庁では、今年度からの3年間を「集中強化期間」と位置づけ、若年者への実践的な消費者教育を推進することとしており、期間中に「社会への扉」を活用した授業を全国の全高等学校において実施するという目標を立てているところです。  本県においても、このような国の動きにあわせて、消費者教育の推進に取り組むこととしており、昨年8月以降、高等学校等に対して、校長会の場や学校訪問などを通じ、公民科や家庭科などの授業でこの「社会への扉」を活用していただくよう依頼したところであり、その結果として、今年度は、対象52校のうち49校で実施することとなり、来年度は全ての対象校で実施する運びとなりました。  また、「社会への扉」を活用した授業の充実に加え、県内の大学や高等学校等へ講師を派遣する「若者向け消費生活講座」も実施しており、平成29年度は県立農業大学校や県立津田高校などで5回、平成30年度も高松短期大学牟礼北小学校などで5回開催しました。このほか、大学の授業に組み込んだ「県と大学との連携による消費者啓発リレー講座」を平成29年度には香川大学と四国学院大学で、平成30年度では香川大学香川短期大学で実施しました。  今後も教育委員会や各学校と連携して、さまざまな機会を捉え、若年者が自立した消費者として社会の中で安心して生活できるよう、消費者教育の推進に積極的に努めてまいりたいと考えています。 木村委員  先ほどの答弁にありました副読本「社会への扉」の内容について、先日、高校の先生方とお話しする機会があり、学校でもこういった本を中心にいろいろな広報をしているのですが、いろいろな相談を受けており、周知徹底はしっかりしていかなければいけないということでした。例えば、ネット販売ではクーリングオフができないことや、20万円を金利17%で借り、5年かけて返済する場合、返済額が30万円ぐらいになるといった落とし穴があること、また、ネットオークションをする子供たちが、直接被害を受けたわけではなくても、仲間内で相談してきた子がいれば、土日祝日でも188番に電話をかければつながるといったことを、学校の先生も広報啓発に努め、相談にも乗っているということでした。  しかしながら、先ほど申し上げたように、3年後には法改正もありますので、さらにできることから細かく広報啓発に努め、被害を最小限にしていかなければならないと思います。引き続き、この問題にしっかり取り組んでいただき、子供たち消費者教育を徹底していただくようお願いして、私の質問を終わります。 寺嶋委員  一点、地震に備えた家庭における防災対策について質問します。  南海トラフ地震発生確率が高まる中、防災・減災対策は喫緊の課題となっていますが、今年度の県政モニターアンケート結果を見ますと、「あなたの御家庭では、地震に備えて、家具の固定化など家具の転倒防止対策を行っていますか。」という質問に対して、「行っていない」という回答が62.2%もありました。  平成7年の阪神淡路大震災では、死因のほとんどが家屋の倒壊や家具などの転倒による圧迫死だったとのことです。また、昨年6月に発生した大阪府北部地震においても、倒れた本棚の下敷きになって、不幸にもお亡くなりになった方がいるなど、地震から命を守るために、家具の転倒防止は重要な対策であることを、もっと認識しなければならないと思います。家具や本棚の転倒防止については、本来自助で行うべきものと思われますが、県政モニターアンケートの結果を見ますと、心もとない現状であると言わざるを得ないと思います。  こうした中、県は家庭における防災対策を促進するために、来年度の新規事業で「家具類転倒防止対策促進事業」に475万5000円を計上していますが、どういった内容の事業をお考えか、危機管理総局長にお尋ねします。 土岐危機管理総局長  御指摘のとおり、大きな揺れを伴う地震が発生した際、家庭においてまず問題となるのが、揺れにより家具等が転倒してその下敷きとなって負傷したり避難路が塞がれたりすることです。今年度の県政モニターアンケート調査の結果については、お話のとおりですが、10年前に行った同様の調査でも県民の64.1%が対策を行っていないと回答されており、東日本大震災熊本地震災害を経ても、なお多くの方が災害対策をされていないことは憂慮すべき課題であると考えています。  この理由としては、同じくモニターアンケートによる意見として、家具の転倒防止器具の設置の仕方がわからないという方や、費用が高い、設置できる人がいないなどという意見が多かったところです。確かにひとり暮らしの高齢者などにとって、器具設置には一定のハードルがあり、問題意識は持っていても、なかなか現実の対応は難しい状況であることが示唆されます。  このようなことから、こうした方々に家具の転倒防止を進めていただくための対策として、来年度、市町と連携して「家具類転倒防止対策促進事業」を実施したいと考えています。この事業は、家具の転倒防止器具の設置が困難な高齢者世帯など、市町ごとに10世帯程度モデル地区を設けて、香川県防災士会の協力を得て、知識を持った防災士が家庭を訪問し、事前診断により、各家庭に適した転倒防止対策を決定した上で、器具購入から取りつけまでのサポートを行うものです。また、器具取りつけサポートを実施する世帯に対しては、市町を通じて器具購入経費の補助をあわせて行うこととしており、補助率は3分の2以内、補助金の上限額は1万円を予定しています。  平成31年度は、こうした器具取りつけのサポート及び器具購入経費の補助を組み合わせた事業をモデル的に実施して、事業効果を検証することにしており、検証結果を踏まえて、県民の皆様に「自助」の重要な取り組みである家具類の転倒防止対策をより一層進めていただけるよう、積極的に努めてまいりたいと考えています。 寺嶋委員  香川県防災士会と連携して、家具類の転倒防止器具設置サポートを行う制度の創設や、モデル地区での実施ではありますが、家具類転倒防止器具購入補助制度の創設など、市町や関連機関と連携して取り組んでいくことは、実効性を高める上でも重要だと思いますので、ぜひ進めていってほしいと思います。  加えて、地震の発生に備えるためには、県民の防災意識をもっと向上させる必要があると思いますが、そのためには、地域や家庭における啓発の充実や、子供のころから防災意識を高めるための防災教育が必要だと思いますが、来年度の県の取り組みについて、危機管理総局長にお尋ねします。 土岐危機管理総局長  大規模地震発生時等に被害を最小限に抑えるためには、県民の皆様一人一人の防災意識をさらに高めることが重要です。県では、防災をテーマとしたシンポジウムやイベントシェイクアウト訓練等を実施するとともに、広報誌やマスメディアを活用した広報、さらには、「南海トラフ地震に関するDVD」を活用した出前講座の実施などを通じて、いわゆる「自助」の意識を一層高める取り組みを進めているところです。  また、委員御指摘のとおり、子供のころから、自然災害とはどのようなものか、あるいは、災害が発生した際の行動や、日ごろの備えをどうすればいいのかといったことなど、災害や防災について学び考えることは重要だと考えています。このようなことから、来年度、県教育委員会と連携して、防災教育のより一層の充実を図りたいと考えています。  具体的には、地震や津波が起こる仕組みや地震が起こったときの身を守るための行動などをわかりやすくまとめて作成した、小学生用防災教育副読本「地震がやってくる前に」は、平成27年度に一度作成し、各学校単位で配布したのですが、これをリニューアルして、学校の授業で活用して防災教育を充実していただくとともに、3年生以上の児童には1人1冊ずつ配布したいと考えています。児童がこの冊子を家庭に持ち帰り、宿題として、家族で家庭における防災について話し合ってもらうことにより、例えば、地震などの災害の際に家の近くの避難所はどこか、緊急時にはどのようにしてお互いに連絡を取り合うのかなど、防災教育と連携してそれぞれの家庭における防災意識の向上を図っていただきたいと考えています。さらには、こうした取り組みにあわせて、合同防災訓練など、学校と地域が連携した取り組みを促進することにより、家庭や地域における「自助」「共助」の意識の一層の醸成に努めてまいりたいと考えています。  県としては、県民の皆様一人一人が南海トラフ地震などの大規模地震がいつ起こってもおかしくないという認識のもと、災害への備えを着実に進めていただけるよう、引き続き、市町や関係機関と連携しながら、普及啓発などの取り組みを積極的に推進してまいりたいと考えています。 寺嶋委員  ぜひ教育委員会とも連携して、家庭における防災意識の向上に取り組んでいただきたいと思います。  熊本県、大阪府、北海道など、直下型地震が全国各地で発生しており、香川県も例外ではありません。ぜひ対策を急がなければなりません。人的被害ゼロを目指して、引き続き、取り組んでいただくことを要望して、質問を終わります。 米田委員  2点質問します。  1点目は、外国人の受入環境の整備についてお伺いします。  昨年12月にいわゆる出入国管理法が改正され、本年4月から、新たな在留資格として「特定技能」が設けられました。国は、特定技能在留資格で受け入れる外国人労働者について、今後5年間で最大34万5000人とすることを閣議決定しています。現状の課題整理を行わないまま、急ごしらえで取り繕おうとしているようにしか見えません。  国は、昨年末、「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」を策定して、野党が指摘してきた外国人を生活者として位置づけて支援するようにしていますが、中身が伴っていません。環境が整っていない矛盾は、外国人の皆さん自身末端行政を担う市町にあらわれてきます。  以前、どこかの場で紹介しましたが、国民健康保険に加入したのですが、言葉の壁や国による制度の違いから当人は理解しておらず、国民健康保険税を400万円も滞納してしまった事例がありました。また、先日、新聞で取り上げられましたが、丸亀で細々と日本語教育の支援が行われている現状もあります。県民の中に、外国人との共生社会をどのように進めていけばいいのか、県民の意識に、どのようにかかわっていくのかといった準備がなされているようには思えません。結局、どのようにかかわればいいのか自分自身にスキルがない、あるいは、かかわらなくて済むのであればという意識が大半かと感じています。ですから、簡単ではないという認識を持つ必要があると思います。  そこで、香川県において、今回の法改正をもとにして進められていることについて、私は大きな影響があり、4月にスタートさせてから問題が噴出する気がしていますが、本県の現状をどのように考えているのか、まずお伺いします。 淀谷知事公室長  御案内のとおり、昨年成立した出入国管理法の改正法は、この4月から施行されることになります。法案審議の過程でもさまざまな論点について議論されたと承知しています。  そういう中で、ここ数年の香川県の外国人の数の動きを見ますと、在留外国人は昨年6月末現在で1万1805人であり、5年前の8,510人と比べて1.3倍にふえています。そのうち、外国人労働者数ですが、昨年10月末時点で8,703人ということで、5年前と比較しますと約2倍に増加しています。新しい在留資格では、全国で最大34.5万人ですので、法施行後は、確実にふえると考えています。  そういう中において、実際に受け入れる地域社会にとっては、例えば、ごみの分別など異なる生活文化、それに係る基本的なルールやマナーの観点、あるいは地域行事への参加など地域へ溶け込むための方法、それから、先ほどの委員からの御質問にもありましたように、日本語教育の問題、医療、防災など、さまざまな共生のために香川県も例外ではなく、これまで以上にきめ細かく対応していかなければならない状況に置かれているという認識を持っています。 米田委員  答弁にありましたように、増加することは認識されているとのことですが、結局、そうした方々に対する支援は、県よりも市町の負担が重いと思います。そこのところで、国がきちんと責任を果たすことが必要だと思います。  国、県、市町、それぞれに果たすべき役割が異なり、整理すべきだと思っていますが、県はどのような整理のもとで、県としての役割を果たそうとしているのか、また、県として課題を抱え最前線で外国人労働者と接する市町への支援についてどのように考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。 淀谷知事公室長  まず、国は、外国人の出入国に関する行政を所管していますので、どのような形態で日本社会に受け入れるのかについての基本的な方針の決定は国が一義的に行うという役割を担っていると思います。  また、市町は、基礎的自治体として、外国人住民行政サービスを提供する主体であり、地域の実情を踏まえつつ、多文化共生の推進に最も重要な役割を果たすものと考えています。  県は、大きな方針として「かがわ多文化共生推進プラン」を策定しています。全県的な外国人住民の支援施策の方向性を示した上で、広域的な事務や市町での対応が難しい課題について取り組んでいく必要があると考えており、引き続き、市町や県の国際交流協会と連携して各種施策に取り組んでいきたいと考えています。  今後、これまで以上に市町と連携して、多文化共生を推進していく必要があると考えており、平成31年度からは、新たに、国際化推進会議を設置して、市町と連携体制を強化したいと考えています。それにより、市町の多文化共生の地域づくりに向けた取り組みを支援していきたいと考えています。 米田委員  ぜひ国際化推進会議での課題の把握をしっかりとして、対策に努めていただきたいと思います。  次に、具体的な事業についてお聞きします。  先日の総務委員会で議決した「多文化共生総合相談ワンストップセンター」の開設の事業は、平成31年度当初予算では1544万5000円が計上されていますが、その具体的な内容についてお伺いします。  また、別途、商工労働部においては、「外国人労働人材関係相談窓口」を設置すると伺っていますが、「多文化共生総合相談ワンストップセンター」との役割分担や関係整理はどのようになっているのか、また、相談窓口を2つ設置する理由についても伺わせてください。 淀谷知事公室長  内訳としては、相談窓口の運営費として、担当職員を新たに2名配置、3者通訳システムの導入、通訳ボランティアの活用などに必要な経費として1200万円を計上しており、そのほか、市町の取り組みへの支援や外国人住民の生活支援、防災対策、多文化共生の推進の啓発経費などに350万円ほどを計上しています。  また、2つの窓口を設置する理由と役割分担についてですが、この多文化共生のワンストップセンターは、先ほどの御説明にもありましたように、国の総合対策の中に位置づけられていて、各都道府県や政令指定都市、外国人が多く集まっている都市に全国で100カ所程度設置されるもので、外国人住民を対象に、生活全般について一元的に相談できる窓口として設置するものです。  一方、商工労働部が設置する「外国人労働人材関係相談窓口」は、本県独自の施策として、外国人労働者外国人労働者を受け入れる県内企業などからの雇用や就労に関するさまざまな相談に対応するために設置するものです。この2つの窓口の相互連携により、総合的な支援体制を構築していきたいと考えています。  なお、県の国際交流協会にワンストップセンターを設置しますが、工事等の環境整備に時間を要しますので、4月1日から、商工労働部の労働政策課内に設置を予定している「外国人労働人材関係相談窓口」と同じ場所に、暫定的にワンストップセンターも設置して、利用者に混乱が生じないように周知したいと考えています。 米田委員  概要については理解しました。冒頭で申し上げましたし、また、答弁にもありましたが、日本語教育の必要性の問題にも、課題として触れられていると思いますが、今度、「外国人児童生徒初期支援調査研究事業」を新規で行うことにもなっています。総務委員会の所管とは異なるのかもしれませんが、先行して実施をしている丸亀市からは、県のこの動きに対して評価の声が上がっています。日本語教育の実施は、本来、国がきちんと法制化して保障すべきことだと思います。今国会でも議論されるようですが、県としても、国に強く要望すべきことだと思います。  それから、中讃地区ではベトナム国籍の方が意外と働いている実情を知りました。市町に対応能力はないと思います。外国人居住者の分布状況や利便性、市町への支援を考えれば、先ほど、2つの窓口を高松で開設するとのことでしたが、もう一つ、外国人の多い西の拠点として、丸亀にも体制を整備すべきと考えますが、どのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。 淀谷知事公室長  先ほども御答弁申し上げましたが、ワンストップセンターは、当面、全国に100カ所程度設置するとのことです。丸亀への設置についてですが、今後、窓口の運営をしていく中で、相談の状況等、課題を把握しながら委員の御指摘も踏まえて、先ほどの在留外国人の居住の全県的なバランスなど、情報提供も行いながら、市町と連携して、そのあり方について検討していきたいと考えています。 米田委員  先ほど設置すると言われた国際化推進会議の中でも状況を把握しながら進めるのだと思いますので、よろしくお願いをして、次の質問に移ります。  2点目は、県における障害者雇用の推進についてお伺いします。  障害者雇用についての竹本議員からの代表質問に対して、新年度の募集に対する応募状況や募集に当たっての考え方が示されています。「より幅広く障害者に雇用の場を提供できるよう、職務内容の検討や勤務時間への配慮、希望者の意向や能力と業務のミスマッチを防ごうと、より具体的に職務内容を示したり執務場所のバリアフリー設備を記載したり、事前の職場を見学する機会を設けた」との答弁がありました。短時間でこうした検討と実施方針に着手したことへの御努力に敬意を表したいと思います。  しかし、不思議でならないことがあります。9月定例会の一般質問で、私はこの問題を身体障害者のみならず、知的障害者や精神障害者の受け入れ環境の整備まできちんと検討していくべきでないかとの趣旨の質問をしましたが、お答えがありませんでした。それが、急に11月定例会で受け入れをするとの発表をしたのには驚かされました。その一般質問の際に、厚生労働省の「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」などを積極的に活用したらどうかとの提言もしたのですが、具体的な回答はありませんでした。  これだけ短期間のうちには難しいとの認識だと受けとめていたのですが、受け入れをするように方針を進めたとのことです。具体的にいつどのような検討がされて、大きく前進させるように動き出したのか、御説明をお願いします。 井手下人事・行革課長  9月定例会の米田議員からの一般質問に対して、知事からは、これまでの現状として「知事部局等における障害者雇用については、雇用の安定と採用後の長期継続によるキャリア形成を図る観点から、期間の定めのない常勤職員として募集・採用を行っており、このため、県の職場における実際の担当業務や就労環境の整備が大きな課題であった。」との御答弁をしています。  一方で、「今後は、非常勤職員も対象とした障害者雇用を進めていく中で、庁内の業務を集約するなどして、障害者が従事できる職務や体調に配慮できる勤務体制をつくり出すことなどについて、幅広く検討してまいりたい。」とも答弁しています。  こうしたことから、検討を進める中で、昨年の10月23日に、国において「公務部門における障害者雇用に関する基本方針」が策定され、当該方針において、「今後、障害のある方が意欲と能力を発揮し、活躍できる場の拡大に取り組んでいくことを目指す」ことが示されているところです。  こうしたことも踏まえて、本県においても、他県での障害のある方を対象とした職員採用試験の実施状況を詳細に調査して、身体障害者に加えて、知的・精神障害のある方をどのように採用し、採用後、どのような業務を担っていただいているか把握に努めるとともに、各部局に対しても、障害の程度や種別にかかわらず非常勤職員としての雇用の可能性の検討を依頼するなど、全庁を上げて検討してきました。  こうした検討の結果、本県においても、障害者の非常勤職員としての採用に当たっては、例えば、各階のコピー用紙の補充、シュレッダー作業等の業務を集約化、あるいは、勤務時間について障害の程度や体調にあわせた柔軟な決定ができること、それから、コミュニケーション等に配慮が必要な職員については専属の支援員の配置、こうしたことを行うことにより、身体障害者に加えて、知的障害者や精神障害者も対象にすることが可能であると判断して、11月定例会の総務委員会において御答弁を申し上げたところです。 米田委員  ということは、やる気があれば短期間でも先進地の情報を得て実施することができるということです。そのようなスタンスにあるなら、そのときそのときの答弁も、積極性が相手に伝わるようにきちんと答弁すべきだと申し上げておきます。  それで、次に、障害者を受け入れる職場側の条件整備について、「コミュニケーション等に配慮が必要な場合も想定し、採用後、職場で障害者をサポートする専属の職員も配置する。」、また在職職員に対して、「全ての職員に対して、障害者雇用に関する理解を深めるよう指導するなど、4月以降も、「障害者雇用促進法」の趣旨を踏まえ、勤務の実態を把握し、障害者の適性に応じて、職場でその能力を十分に発揮することができるよう取り組んでまいりたい。」と竹本議員の質問に対しての答弁がありました。  私はなかなかそう簡単なことではないと思っていますが、まず、サポート職員はどうやって確保するのか、めどは立っているのか、お答えください。  次に、受け入れ側の無理解や認識の差によるトラブルが民間職場ではよく聞かれます。県の職場でも大差ないと思います。4月までの短期間で指導すると答弁で述べていますが、具体的にどのようにするのか、教えていただきたいと思います。  3点目は、最初から障害の類型によって職場や職種を決めない、受け入れた人に話を聞いたり状況を見たりしながらという障害者雇用の姿勢については評価したいと思いますが、トラブルが発生したときの相談窓口はどのように用意しているのか、どのように問題解決していこうとしているのか、お聞かせいただきたいと思います。 井手下人事・行革課長  まず、サポート職員の確保については、現在、県の障害福祉関係職場で経験のある者を嘱託職員として任用する予定です。  また、現在、国において、国や地方公共団体に障害者雇用の促進等の業務を担当する「障害者雇用推進者」や、各障害者の職業生活に関する相談・指導を行う「障害者職業生活相談員」といった方の選任・配置を義務づける方向で議論が進められているところでして、その動向を注視して今後、適切に対応していきたいと考えています。  また、先ほどの委員からの御質問の中でも御指摘がありました昨年9月定例会の一般質問の中で御提案いただいた「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」についても、昨日、面接試験を実施しましたが、この結果、精神障害者等を採用する所属が決まりましたら、当該所属の職員を中心として当該講座の出前講座を受けられるよう、香川労働局と、今後、協議を行っていきたいと考えています。  それから、職員への周知については、職員に対して、採用後に障害者に対して行うべき配慮について、基本的には委員から御指摘もありました文書で通知する予定ですが、周知の徹底を図るため、庁内の掲示板に載せるだけの対応ではなく、部長会等で配布や説明をしっかりと行い、全ての職員に伝わるように考えているところです。  また、周知にあわせて、改めて障害者差別解消法に係る職員ハンドブックの周知や、e-ラーニングによる職員研修を行うなど、障害のある職員への理解が深まるよう工夫していきたいと考えています。  それから、4月以降さまざまなトラブルが起こったときの苦情処理については、具体的な検討はこれからですが、委員からの御指摘もありましたとおり、トラブル等が予想されるところで、相談窓口の設置は必要と考えています。職員からの相談になりますので、基本的には、人事・行革課に相談窓口を設けることになると考えていますが、障害福祉部門や障害者雇用の促進部門にも関係することから、健康福祉部や商工労働部とも連絡を取り合って解決が図られるよう、今後、努めていきたいと考えています。 米田委員  今回の障害者雇用の方針の改定で、自力で通勤できない人を排除していたのを排除しないというように、前進させており、そこは評価したいと思いますが、それでも、結局、排除しないが送り迎えの負担をどうするのかという問題は解決していないという課題認識を持つべきだと思います。そこの手当ても将来に向けての課題としてどう改善していくかという問題意識を持つべきだと思いますし、それが、障害者差別解消法で言うところの合理的配慮の一つにもなると思います。  最後に、NHKの教育番組で知的障害者がかかわってつくっている「バリバラ」という番組がありますが、昨日の放送はこういった内容でした。政治に近づこうとしたいが、政治は難しくてわからないということに対して、NHKの報道に携わる記者が、報道において中身をわかりやすく説明をしているつもりだが相手側には伝わらないとのことです。伝わらないことを相手側の責任にするのではなく、その方たちからの、ここがわからなかったという指摘に対してアナウンサーが改善して、こういうのではどうですかと試行錯誤をしている姿が放送されました。  私は、行政のあり方もこういった施策を展開する上で、その当事者の側に立って、どこが理解の進まない原因なのかという視点でもって、常に施策を検討していくことを、きのうの番組を見ながら、改めて認識しましたので、ぜひ皆さんと共有をしたいということで申し上げまして、私の質問を終えます。 氏家委員  私から2点質問します。  まず、陝西省との交流事業について質問します。  昨年の5月に李克強首相が来日し、また、10月には安倍総理が訪中するとともに、現在、日本政府は習近平主席に対して6月に大阪で開催されるG20サミット、また、秋も日本への国賓として迎えると中国側に打診するなど首脳外交を活発化させており、日中の関係強化を進めることとしています。  このように政府間で日中関係の改善が進められている中、本県は中国の陝西省と平成6年に友好県省提携を締結し、相互に定期的に訪問団を派遣するとともに、文化やスポーツなどさまざまな分野で人的交流を行うなど、友好交流を積み重ねてきたところです。このような中、ことし、協定締結25周年の節目の年を迎えることとなり、これまで本県と陝西省の間でつないできた交流の歴史と成果はこれからもしっかりと引き継ぎ、さらに拡充強化していくことが重要だと考えています。  そこで、来年度の陝西省との交流事業として、どのような事業を予定しているのか、お尋ねします。 淀谷知事公室長  御案内のように、平成6年4月22日に香川県と中国陝西省との友好県省提携に関する協定書を締結しました。協定を締結して以降、双方で「平和友好」、「平等互恵」、「相互信頼」、「長期安定」の4原則に基づいて、友好提携などの周年にあわせて、代表団の訪問や視察団の派遣、国際交流員の受け入れなどの人的交流を初め、一昨年には陝西省から大学生が49名来県され、大学交流や記念植樹を実施するなど、これまでさまざまな交流を実施してきたところです。  本年は陝西省との友好県省提携から25周年目ですので、この機会に両県省の友好交流のきずなを一層深めたいということで、記念事業として陝西省からの代表団を受け入れるとともに、香川県からも陝西省を訪問し、陝西省政府を表敬訪問したり、友好交流の契機となった空海ゆかりの青龍寺などを訪れるなどの相互交流や、青少年交流事業の実施も検討しているところです。また、県内においても陝西省への理解が深まるように、中国文化やこれまでの友好交流の歴史、陝西省の観光地などを紹介する写真展を開催したいと考えているところです。 氏家委員  内容については理解しました。  私も、5年前の陝西省への訪問団に議会の一員として参加しました。陝西省の方との交流があったり、日本から来られていた方と交流をしたり、有意義な時間を過ごしました。陝西省へ行けば日本のよさを陝西省でPRできますし、また、陝西省のことについていろいろ学んで、それを日本に広めていけば、日本から陝西省に行きたい人も出てくるわけで、相互交流はこれからもしっかりと進めていかなければいけないと思います。  来年度の予算では、ペルーの120周年、そして、パルマや桃園市と引き続き交流を行うということですので、しっかりと取り組んでいただいて、アウトバウンドをふやせば、インバウンドの伸びにもつながってくると思いますので、いろいろと御意見はありますが、しっかりと説明責任を果たして、積極的に交流を行ってもらいたいと思います。  陝西省との交流の中で青少年交流も行っていくとのことです。これまで築き上げてきた交流の歴史は若い世代に引き継がれ、これからの中国・陝西省との新たな次代を担ってほしいと考えています。  そこで、青少年交流の意義と、今後、どのような青少年交流を予定しているのか、お尋ねします。 淀谷知事公室長  青少年交流の意義としては、国際化の進展の中で、人と人との相互理解や相互交流により、広い視野の獲得や、多文化共生の資質や能力を育むことにあると考えています。  国においては、日本と中国との国際交流の進展のために、青少年交流を強化することとしており、ことしを「日中青少年交流推進年」として、青少年の交流の強化に取り組んでいるところです。香川県では、来月3日から、中国国家観光局や春秋航空の御協力を得て、香川県の大学生30名を中国の陝西省へ派遣して、「陝西省魅力宣伝大使」として、若者の視点で陝西省の魅力を発信したり、陝西省の大学生と交流することとしています。また、3月の下旬には陝西省からも高校生を10名ほど香川県に招いて、香川県の高校生との交流や、讃岐うどん打ち体験、空海の生誕地である善通寺を訪問するなど、香川県でのさまざまな体験を通じて、若い世代を通じて陝西省へ魅力が伝わるように努めたいと考えています。  さらに、来年度の記念事業として、青少年を陝西省へ派遣して、現地で交流活動ができないかについても陝西省側と相談しているところであり、引き続き、このような取り組みを通じて、青少年の交流を促進していきたいと考えています。 氏家委員  陝西省は、面積が本県の110倍、人口は本県の40倍であり、また、空海からの歴史があり奥が深く、なかなか全ての面で交流していくには時間がかかると思いますが、地道に発展的に取り組んでいただきたいことを要望して、次の質問に移ります。  次に、備蓄物資整備事業について質問します。  県が公表している地震・津波被害想定においては、海溝型の南海トラフ地震や直下型の中央構造線で発生する地震など、4ケースで被害を想定しています。その中でも特に、南海トラフの最大クラスの地震が発生した場合、本県では、死者6,200人、建物全壊2万5000棟、避難者は本県人口の約12%に当たる11万9000人等と、大きな被害が出ると想定されています。また、大規模災害が各地で頻発する中、災害発生時に備えた物資の備蓄については、県民の皆様方の関心も高いと思います。
     このような中、これまで県では、市町と連携して物資の備蓄に取り組んできたと思いますが、現在の備蓄物資の状況について、危機管理課長にお尋ねします。 石川危機管理課長  県では、大規模災害発生時に備えた物資の備蓄については、最大クラスの南海トラフ地震発生時の避難者数の最大11万9000人を想定して、国や他県等からの支援物資が届くと想定されるまでの3日分の飲料水や食料等を確保することとしており、そのうち1日分は、県と市町で半分ずつ現物備蓄をするとともに、残る2日分については、民間事業者等との災害時応援協定に基づく流通備蓄により対応することとしています。  この方針に基づいて、県では、平成27年度から3カ年かけて、飲料水を初め、アルファ米、保存パン、おかゆなどの食料のほか、毛布、紙おむつなどの現物備蓄を行ったところです。  これらの物資については、現在、県消防学校備蓄倉庫を初め、県合同庁舎や、指定避難所に指定されている小学校、中学校、高等学校などの県有施設・市町有施設などに分散して備蓄しており、災害発生時には、これらの備蓄場所から物資を放出して、避難者に供給することとしています。 氏家委員  ただいまの説明で、想定する避難者の11万9000人に対しては、おおむね物資の備蓄が行われているということで、取り組みが進んでいることは理解しました。  しかしながら、平成28年の熊本地震や、昨年9月の北海道胆振東部地震などにおいても、自治体が整備する備蓄物資について、さまざまな問題が顕在化されたと思います。こうした教訓を踏まえて、事前に対応しておくことが重要だと思いますが、県は、どのように取り組もうとされているのか、危機管理総局長にお尋ねします。 土岐危機管理総局長  平成28年熊本地震においては、断続的に強い揺れが発生したことなどにより、避難所が避難者であふれて、物資の配給やトイレを待つために長蛇の列となったことから、テント泊や車中泊など避難所以外の場所への避難者が多く発生し、こうした避難所外避難者へ物資が行き届かなかったり、車中泊が長く続いた避難者がエコノミークラス症候群を発症したりといったことが課題となったところです。このため、県では、車中泊等の避難者に対応するため、新たに約3万人弱の飲料水や食料を今年度備蓄するとともに、エコノミークラス症候群の対策である弾性ストッキングの備蓄や、災害時のトイレ環境を確保するためのトイレ薬剤の備蓄を、今年度から2カ年かけて行うこととしています。  また、北海道胆振東部地震では、道内全域での停電により、北海道に対して多くの市町村や避難所から物資の支援要請があり、情報が錯綜したため、効率的な調達や配給に支障が生じたという課題が指摘されているところです。  こうした課題への対策として、来年度、更新を行うこととしている「香川県防災情報システム」の中に、新たに、県及び市町における備蓄物資の在庫状況の管理や物資支援要請の対応状況の管理などを行う機能を取り入れて、災害発生時における備蓄物資の配送に係る情報伝達が適切に行えるよう備えてまいりたいと考えています。  県としては、これらの災害の教訓も踏まえて、災害発生時に必要な物資が迅速かつ的確に避難者に届くよう、引き続き、市町や関係機関と連携して訓練を積み重ねるなど、万全を期してまいりたいと考えています。 氏家委員  教訓を生かして、しっかりと対応と検討を行っていただきたいと思います。  先ほども言いましたように県の人口の12%である11万9000人の想定避難者が一度に動くとなると、パニックになり道も大渋滞になると思いますが、どこにその11万9000人が避難することになるのかが疑問として残っています。私の地元の琴平町やまんのう町でも、全町で8,000人や1万5000人などの避難者が出ると思いますが、町内のどこに全町民が避難できる場所があるのか、常に疑問に思っています。備蓄物資については数量的には確保できてきたことは理解しますが、例えば、琴平町の何々地区などと細かく避難情報を出していくのか、あるいは、1万人が避難したとしたら、避難できる場所として、何々と何々の体育館に行けば1万人確保できるというように避難周知するのか、避難情報の出し方については、住民の皆さんからよく聞かれ、私たちも答えられないので、そういったところをしっかり市町と連携して研究していただきたいと思います。要望して質問を終わります。 広瀬委員  私からは2点お伺いします。  1点目が、外国人との共生推進事業についてで、先ほどの米田委員と質問、答弁の若干重なる部分があるかと思いますが、よろしくお願いします。  私も昨年10月の一般質問で外国人労働者の受け入れと多文化共生社会の推進について質問しましたが、その後の国会でもこういったことについてさまざま議論されました。国会の議論にもあったように、新たな在留資格として「特定技能」が創設されるなど、本県の外国人住民は、今後、さらに増加することが見込まれます。  日本語が余り話せない外国人は、労働・医療・福祉・教育などさまざまな分野で困難に直面すると言われています。また、ごみ出しのことや騒音のトラブルなど、文化や生活習慣の違いから地域住民との大きな問題に発展するおそれもあるということで、先日開かれた総務委員会の2月補正予算の審議において、外国人住民に対するワンストップの相談窓口である、仮称ですが、「多文化共生総合相談ワンストップセンター」の整備についての説明がありましたが、外国人住民がこれまで以上のペースで増加していく場合、外国人の受け入れ環境をさらに充実させていく必要があります。  県は、平成31年度当初予算において、外国人との共生推進事業としてワンストップの相談窓口も含め2911万5000円を計上していますが、相談窓口の整備のほか、外国人住民に対する支援にどのように取り組むのか、お伺いします。 淀谷知事公室長  先ほども御答弁申し上げましたが、ワンストップセンター以外に、多文化共生の地域づくりを推進していくための新たな取り組みとして、国際化推進会議を設置して市町等との連携体制を強化するとともに、市町における地域づくりに向けた取り組みを支援したいと考えています。さらに、外国人住民向けの生活ガイドブックのウエブ版を作成して、スマートフォンからも活用しやすいように取り組みたいと考えています。さらに、外国人の防災対策として、市町や県国際交流協会と連携して、外国人住民のための防災訓練や災害時に支援者となることが予想される通訳ボランティア等を対象とした研修、災害時の外国人支援の拠点となる多言語支援センターの開設訓練などを行うこととしています。  県としては、こういった全体的な取り組みを通じて、多文化共生社会の実現を目指していきたいと考えています。 広瀬委員  さらに、今後、ふえてくるであろう外国人住民が抱える問題点や要望等を把握していくことも大事だと思いますが、そうした外国人住民の声や受け入れる側の日本人住民の声をどのように把握していくのか、お伺いします。 淀谷知事公室長  「かがわ多文化共生推進プラン」を策定した平成27年にも、外国人へのアンケート調査の実施や日本人住民への県政モニターの実施などによって、意見を聴取したところです。御指摘のとおり、今後も、外国人住民や日本人住民の方々から御意見を伺い、日ごろ抱えている課題や問題点、要望等を把握していくことが重要であると認識しています。  外国人住民については今日的な状況を踏まえてアンケート調査を実施するとともに、日本人住民については県政モニターなどを活用して声を拾い上げていきたいと思います。また、フォーラムなどの実施の際にアンケート調査にあらわれてこない生の声も拾い上げることにより、さまざまな課題や問題点、要望等を把握して、施策に反映していければと考えています。 広瀬委員  私は、去年の10月の一般質問の中で、香川県多文化共生社会創生委員会という産学官民による調査・研究機関を設立して施策を推進したらどうかと提案したのですが、今回、国際化推進会議を設立したとのことです。これは産学官民というよりも県市町などの行政主体の会議のようですが、それだけではなく産業界、学術界、民間等の意見も聞きながら、香川県が外国人労働者に選ばれる県になることが大事であり、さらに、質の高い外国人労働者に来ていただくためには香川県がいい環境を持たなければいけないので、さまざまな分野の知恵を結集していただきたいということが要望です。よろしくお願いします。  2点目の質問は、運転免許証の返納手続に関してです。運転が難しくなった高齢者を中心に、国としても、運転免許証の返納を薦めているところですが、香川県では、現状、運転免許センターや警察署で運転免許証の返納の手続ができます。  運転免許証センターで行うことと警察署で行うことの違いは、運転免許証センターで行う場合には、運転経歴証明書は身分証明書になるので、運転免許証のかわりにもらうのが普通ですが、その運転経歴証明書をもらうためには、運転免許センターであれば運転免許証の返納を申請したその日にもらえますが、最寄りの警察署に行った場合には、申請をして後日、運転経歴証明書ができた連絡を受けて、また警察署に取りに行かなければいけないということでした。これは高齢者にとっては負担であるということで県警察も改善していただいて、去年ぐらいから、運経経歴証明書の郵送を行っていただいており、また、代理人が運転免許証の返納の申請をすることも可能になっており、高齢者を中心にかなり喜ばれていると思います。ただ、車の運転ができない高齢者が警察署まで行くには遠く、警察署ではなく交番で運転免許証の返納の申請ができないかといった声を聞きます。  県下に警察署は12カ所、交番や駐在所は144カ所ありますから、自分の生活圏の中でそういった手続ができることを望むのは当然だと思いますが、こういったことを去年の2月定例会で提案したら、「常に事件・事故に対応する交番の業務に鑑み、課題が多く、他県の取り組み状況等を広く研究しながら、利便性向上に努める」という答弁でした。交番は手狭であり、そこで運転免許証の返納の手続をし、また、警察のほかのいろいろな受け付けもすることは現実的には難しいと思います。そこで、交番が難しいのであれば、市役所、町役場、支所などのスペースに、常時警察の窓口を置くのが難しいのであれば、例えば、月に1回、運転免許証を返納するための出張窓口を設置して、今月は何日に設置することを広報して、返納に来ていただくのが現実的であるし喜ばれるのではないかと思います。  こういった身近なところであれば、買い物のついでなどに複数回行くことも可能かもしれないと思うし、また、こういったことを行うためには、通信ネットワーク環境の問題やセキュリティー上の問題などもあるかと思いますが、そういったことは、今では、決して乗り越えられない問題ではないと思います。積極的に検討してみてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。 岡田交通部長  運転免許証の自主返納に係る事務手続は、運転免許の取得や更新と同様に、返納者が自主返納の要件を満たしているかを調べたり、申請者が記載する内容に誤りがないかを確認するなど、その事務手続は複雑であり、専門的な対応が必要となっています。  委員御提案の、交番等における運転免許証の自主返納の受理については、全国の11都府県で行っており、いずれも、県の面積が大きく最寄りの警察署まで距離があるとか、島嶼部であるなど、それぞれの地域性に応じた対応をとっているものと承知しています。  本県においては、昨年、4,223人の方が運転免許証の自主返納をしており、その約3割の方が警察署で手続をしています。  御提言の、「交番等において決まった日に、自主返納を受理する方法」についてですが、市役所や役場などの公共施設における対応は、自主返納の申請に際し、返納者が自主返納の要件を満たしているかなど、行政処分の状況などを確認するために、警察庁と接続する専用回線や照会用の端末などを整備する必要がありますが、個人情報保護の観点からも適切ではなく、また、警察職員を配置することは、限られた人員では困難であると考えています。  ただ、高齢運転者に係る交通事故情勢が厳しいことについては承知しており、自主返納がしやすい環境の整備は、高齢運転者による交通事故の抑止を図る上でも重要だと考えています。県警察では、平成28年9月1日から、警察署などにおいて運転免許証の自主返納にあわせて、申請した運転経歴証明書を郵送する制度を、平成29年3月1日からは、御本人から委任を受けた御家族等の代理人による運転免許証の自主返納などを受理する制度を、それぞれ開始しており、加えて、昨年の5月27日からは、高松市郷東町に所在する県運転免許センターにおいて、日曜日の運転免許の自主返納などを受理する制度を開始するなど、継続的に自主返納がしやすい環境の整備に努めています。県警察としては、御提言の趣旨を踏まえ、引き続き、利便性の向上に努めていきます。 広瀬委員  市役所などに出張窓口を設置するのは難しいでしょうが、ぜひ今後、前向きに検討していくべきだと思いますので、よろしくお願いします。  もう一つ、運転経歴証明書を郵送してもらえれば、警察署などへ2度行く手間がなくなるのですが、郵送料が自己負担となります。この郵送料を無料にできないかといった要望をよく受けます。そこで、現在、郵送料として年間どれぐらいかかっているのか、そして、この郵送料の無料化ができないか、お伺いします。 岡田交通部長  運転経歴証明書の郵送による交付は、392円切手を貼付した簡易書留の返信用封筒を準備していただいています。昨年中の取り扱いとして、郵送は268件あり、その郵送料は、年間10万5056円となります。  なお、運転経歴証明書の郵送料の無料化の御質問ですが、県民が警察署などで行う許認可事務は窓口対応が原則ですが、県民の皆さんの利便性の向上を図るため、例外として、運転免許証及び運転経歴証明書の郵送サービスを有料で行っているものです。全国的にも本県と同様の対応をしており、運転経歴証明書の郵送の無料化は、現時点では検討していません。 広瀬委員  専門的な理由があるのかもしれませんが、金額的に10万円程度なのであれば、何とかならないのかとも思います。さらなる検討を要望して、質問を終わります。 大山委員  新県立体育館の整備等について質問します。  先日の代表質問で聞きましたが、コンストラクション・マネジメントを採用して、これから確認していくとのことですが、このSANAAのデザインで大きく問題になるのは、大屋根の部分だと思います。  全国の大屋根を採用しているところを、私なりに調べてみました。大屋根を採用している大きな公共施設はドーム型が多いです。例えば、ナゴヤドーム、京セラドーム、東京ドーム、福岡ヤフオクドーム、札幌ドームがあります。いろいろ調べてみると、どのドームも雨漏りするのです。それが、後年の大きな修繕費用にかかわってきています。雨に濡れないためにドームになっているのに、特に、ナゴヤドームは何回も雨漏りしているとのことです。ひどいときは、お客さんの上から雨が降ってきて、お客さんにクリーニング代を全額弁償した事例もあると聞いています。  それで、原因は何かと調べていくといろいろと原因がありますが、共通するのは金属板を使っているところです。例えば、大きな屋根をつくるときに、テントなどを使う場合にはそれほど問題は起こらないのですが、屋根にデザインや光のかげんなどをよくしようとして金属板を使用すると、その金属板がある程度劣化したときに雨漏りをするとあります。  そこで、営繕課長、新県立体育館は大きな屋根を採用するので、他のドームや他県の事例などを調査していると理解していますが、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。 安藤営繕課長  一般的なお話をしますと、金属の部分と金属の部分を継ぎ合わせないと全体の一体的な屋根がどうしてもつくれません。そういう部分には、通常は雨が漏らないようにやわらかい材料などで埋めたり、あるいは、形を複雑に組み合わせて防いだりするのですが、その部分が複雑になればなるほど形状の問題や、すき間部分に詰めた材料の劣化の問題で、雨漏りが生じると承知しています。 大山委員  そうです。あとは、材料の問題もあって、球体の屋根をつくるときに材料は球体で来るのですか、それとも真っすぐな状態で来るのですか。 安藤営繕課長  丸い材料をつくるときに、限りなく多面体の形で平面材料を組み合わせることもありますが、一般的には曲面のもの同士を組み合わせる形に工場で製作して、それを現場で施工するものだと承知しています。 大山委員  いや、SANAAはチタン亜鉛合板を指定しているのです。私が調べたところ、チタン亜鉛合板に球面体のものはありません。真っすぐの形状の板です。それはわかっていますか。 安藤営繕課長  細かい施工方法については、今の時点では承知していません。 大山委員  承知していないのに、そういった答弁をしないでください。  提案書にはチタン亜鉛合板と書いています。これは真っすぐな形状で来ます。これは日本には材料がありませんので、ヨーロッパからの輸入になります。真っすぐの状態で輸入したものを球面体に施工していくためには、継ぎ合わせる必要があります。継ぎ合わせるときに、例えば、1メーターかける1メーターの真っすぐな板のまま組み合わせても球面体はつくれないので、板をカットして短くして、短くした板と短くした板とを組み合わせていくと球面体ができます。真っすぐの板をそのままの形状で合わせても、大きなゆがみができるので球面体はできません。球面体が複雑になるほど、1枚の板を現場で小さく裁断するか、もしくは、発注元で裁断したものを送ってくるようになります。  しかし、発注元で裁断したものを送ってくると、ヨーロッパの気候と日本の香川県の気候とでは大きく違うので、現場で膨張することなどがありますので、恐らく、ヨーロッパから板の状態で来て、それを現場で裁断することになります。例えば、この1枚の板が5万円だとして、その5万円分の板を切って、残りは捨てます。そのうえで張り合わせます。小さくしても5万円のものは5万円のものですから、切った分だけ余分に仕入れなければならなくなります。ですから、平米当たり5万円では済まなくなり、コストが大きく膨らんでいきます。  いつかの答弁のときに、私が平米当たり20万円ぐらいかかるのではないかと質問したら、総務部長が、平米当たり5万円ぐらいでできると言ったのは、この板の1枚の単価が5万円ということです。だから、5万円でできると言ったのですが、この板は裁断しないと球体にはなりません。裁断したときにすき間ができますし、継ぎ合わせた部分が多くなれば多くなるほど漏水の危険性が出てきます。  ナゴヤドームや京セラドームなどは、香川県のSANAAがデザインしたほどの大きな球体ではありません。どちらかと言えば、緩やかな球体であり、真っすぐな部分を継ぎ合わせたようになっています。SANAA案は、相当な部分で継ぎ目が多くなってきます。ナゴヤドームは4万8000平米で、5万人の収容です。香川県の新県立体育館は1万人収容で3万平米です。比較すると、どれだけ大きな球面体なのかがわかります。特に、香川県の球面体は3連棟になっており、この連棟になったところの継ぎ合わせの部分は物すごく複雑な球面体になってきます。ここまでの考え方は間違いないですか。 安藤営繕課長  御指摘のとおり、球面体に合わそうと思うと、元の製品をどうしても一定加工する必要がありますので、歩どまりが悪くなる部分が出てきます。それから、最初の御質問で御答弁したとおり、継ぎ目の部分がどうしても防水上の弱点になってきますので、ここのところは注意して設計するし、施工レベルの図面も書くし、この材料を使っていく場合には現場で施工しなければならないと思います。 大山委員  ナゴヤドームも京セラドームも雨漏りが起こっています。設計の段階では雨漏りが起こるとは思っていませんでしたし、そういった対策は設計の段階で徹底しているはずです。しかし、現実問題として雨漏りが起こっています。  これらのドームはアーティストが設計したものではありません。普通の組織系設計事務所が設計したものです。香川県の場合は、アーティストが設計し大きな球面体の組み合わせになっているので、現場処理をするのが難しいです。聞くところによりますと、香川県でこのチタン亜鉛合板を使って施工した業者は一例もないそうです。全国で調べても数例しかなく、こんなに大きく3万平米も施工した事例は全くないです。ですから、困難をきわめる工事になると思います。  それから、前にも言いましたが、現場で裁断した場合、チタン亜鉛合板はヨーロッパの乾燥した地域ででき上がった資材ですから、湿度はほとんど意識してつくられておらず、強度が弱いです。だから、この資材を日本に持ってきたことが数例ありますが、3年後には資材の裏側がさびていたという事例が出ています。この事例はそれほど大きなものではありませんが、3万平米の大きな屋根でそういった、さびの問題が起こってきます。現場で裁断した場合、裁断面にきちんと加工しないと、さびてしまいます。コーティングしている1枚の素材でさえさびに弱く、それを裁断したら裁断部分は加工していないので、その部分のさびどめの処理が難しくなってくると思います。ですから、こういうことにたけた人が、コンストラクション・マネジメントをしなければ、このようなものはでき上がらないと思います。  コンストラクション・マネジメントの業者は選定されたのですか、まだ決まっていないのですか。それから、私の言ってきたことに間違いありませんか、確認しておきます。 安藤営繕課長  まだ、詳細まではできていませんが、一般的には現場で加工する、あるいは、委員御指摘のとおり製作してくることになりますが、現場で加工する部分はどうしても一定出てくると思います。間違いありません。 大山委員  営繕課長が言っているとおり、困難をきわめる工事だと思いますので、それなりの経験がある業者が施工しないといけませんが、経験のある業者が日本にいないので、技術者をヨーロッパから呼ぶ必要も生じると思います。そういったことをきちんと認識したコンストラクション・マネジメントなのか、コンストラクション・マネジメントのレベルとしてそこまでの認識があるのか。まだ決まっていないとのことであれば、一番大きな問題はこれだと思います。  それから、先日知事が答弁した中身の機能性の問題ですが、世界大会のボクシングも開催する、1万人規模のコンサートも開催する、スケートの国際大会も開催するとのことですので、機能を全て網羅して、動線をきちんと確保して、利用者がちゃんと環境よく使えるように、雨漏りなどしない、経年の費用負担も不安がないようにするためには技術の研さんが必要だと思いますので、そのあたりをきちんとわかっている人たちでコンストラクション・マネジメントをしていただきたいと要望しておきますので、お願いします。  新県立体育館の整備等についてはここまでとします。あとは、交通安全施設の整備についてですが、香川県は交通事故が多く、ある程度強制的に速度を落としてもらうシステムが必要だということで、外国では交差点の手前でハンプを設置して道路が盛り上がっていて、そのハンプのところでスピードを出すと車の下をすったり事故の元になったりするので、必ず減速しています。日本でそういったものを見たことがなく、香川県でそういったものを設置したらどうかとずっと言い続けてきましたが、なかなか採用されませんでした。  しかし、先日の代表質問の中で、警察本部長から「ハンプをやりたい」という答弁がありました。どのような場所への設置を考えているのか、土木部との協議や技術的な面などもあるとは思いますが、わかっていることがあれば、交通部長にお伺いします。 岡田交通部長  ハンプはそもそも生活道路の周辺に設けて車両の速度を抑制するものであり、施工は道路管理者が行うものです。今後、設置箇所を検討するとすれば、速度のエリア規制をかける「ゾーン30」の実効性を担保するために、「ゾーン30」入り口などへの設置を道路管理者に働きかけていきたいと考えています。 西川委員長  暫時休憩いたします。  午後は、1時から再開いたします。  (午前11時49分 休憩)  (午後 1時03分 再開) 西川委員長  再開をいたします。  質疑、質問を続行いたします。 香川委員  専修学校・各種学校の振興についてですが、まず、専修学校が一般の大学や短大とどう違うのかと、県内にどのぐらいの学校があって、どのぐらいの生徒がいらっしゃるのか、お伺いします。 河内総務学事課長  通常の大学は普通の学問を身につけるための学校になりますが、専修学校や各種学校は専門的な知識や技術を身につけるための学校になります。これらは学校教育法で定められた正規の学校でして、大学等と変わりはありません。また、入学資格の違いにより、高校卒業者を対象とした「専門課程」、中学校卒業者を対象とした「高等課程」、入学資格に特に制限のない「一般課程」に分かれています。  また、県内には専修学校が25校、各種学校が16校あります。生徒数ですが、専修学校が約4,900人、各種学校が約400人という状態です。 香川委員  専修学校・各種学校合わせて5,300人と、たくさんの方が学んでいらっしゃるということで、香川県の教育にとっては大事だと思います。特徴として、一般的な教育ではなく専門的な教育を行う職業訓練のような教育機関であるので、学校として役に立っていて大事だということがわかりました。県は来年度、新規事業として「かがわ専各職業教育促進事業」の実施を考えているようですが、具体的にどのような事業を実施しようとしているのか、お伺いします。 徳大寺総務部長  県では、平成28年度から今年度まで、「かがわ専修学校各種学校フェア」を実施しており、冬休み前に専修学校・各種学校に展示等をして、高校生などに来てもらっていました。ただ、年1回の取り組みであり、なかなか来られない学生もいらっしゃるという課題がありました。  そこで、来年度から、「かがわ専各職業教育促進事業」を実施したいと思っていますが、この事業は大きく3つの事業から成り立っています。  1点目には、従来は我々がブースをつくってそのブースに来てもらっていたのですが、今度は我々のほうから学校に出向いて複数の職業体験の実施や専修学校・各種学校を紹介する「専各キャラバン」を結成して、希望する中学校や高校に通年事業としてお伺いしたいと考えています。  2点目には、専修学校・各種学校でオープンキャンパスなどといった体験デーが従来からありますが、そういったものにより多くの学生に来ていただきたいと考えており、その取り組みの一つとして、例えば、スタンプラリーを実施し、専門学校や各種学校のオープンキャンパスに参加してもらった方にスタンプを押していき、スタンプが多い方には商品を差し上げる取り組みを実施しようと思っています。  3点目には、それらの基礎になるものですが、県内にどのような専修学校・各種学校があって、どのようなことを学んでいるのかなどを紹介するガイドブックを作成して、県内の高等学校に配布したいと考えています。  以上、大きく3つの取り組みにより、県内の専修学校・各種学校が進学先として選択されるように取り組んでいきたいと考えているところです。 香川委員  高校を卒業してどういう仕事につくかの判断は難しいですし、大学でも希望を言うのは簡単ですが、自分がどういう職業に向いているのかについては、なかなか判断できないのが実態だと思います。そういう意味では、高校生や中学生にとって、将来こういう職業につくためにこういう学校があるのは、いいことだと思うので、ぜひ取り組みを進めていただきたいと思います。  県内の専門学校卒業生のうち、就職者の県内定着率は高いと聞いていますが、どうでしょうか。 徳大寺総務部長  委員御指摘のとおり極めて高くて、県内の専門学校卒業生のうち、就職者の県内定着率は約4分の3となっています。 香川委員  たくさんの方が県内で就職していただいているとのことです。県の一番の課題は人口減少であり、なるべく県外に人口を流出させないことであるので、専修学校・各種学校に進学していただくのは県にとっても大事だと思います。今年度は「職業教育促進事業」で実施されたのですが、来年度は新規事業も含めて、どのような観点で、専修学校・各種学校の振興を図っていこうとしているのか、お伺いします。 徳大寺総務部長  先ほど県内の専門学校卒業生の4分の3が県内で就職すると申し上げたのですが、課題はあります。具体的に申し上げますと、平成30年3月の県内高等学校の卒業者のうち、専修学校・各種学校への進学者は1,388人います。そのうち県内の専修学校・各種学校に進学するのは約6割で、残りの約4割は県外の専修学校・各種学校に流出する状況にあります。したがって、この4割の方々を県内にどれだけ引きとめられるかが課題になります。  具体的なアプローチとして2つ考えています。  1つには、県内の専修学校・各種学校の認知度が依然として低い状況があります。先ほど申し上げた、今年度まで実施していた「かがわ専修学校各種学校フェア」におけるアンケート調査結果で、約半数が「学校名は聞いたことがあるが、教育内容は知らない」と回答していました。こういったことを踏まえて、認知度を上げていく取り組みを行っていきたいと考えています。  もう一つには、認知度が上がったとしても、県外の専修学校・各種学校と比べて県内の専修学校・各種学校が魅力的でなければならないという課題があります。それに対する取り組みとして、平成27年度から「私立専修学校・各種学校職業教育振興費補助事業」を実施しています。これは、県内企業等と連携して実践的な職業教育の質の向上等に取り組んでいる専修学校・各種学校に対して運営費の助成を行っています。さらに、前年度の県内就職率が8割を超えた場合は運営費補助額をかさ上げする措置をしており、こういったことで、県内の専修学校・各種学校の魅力を高めていきたいと考えています。  以上、大きく2つのアプローチにより、県としては、県内の専修学校・各種学校が県内の高校生から進学先に選ばれるように取り組んでいきたいと考えているところです。 香川委員  ぜひ頑張っていただきたい。ただ、一般の高校や大学や私立学校に比べると、どうしても事業予算が少なくなっているので、これからもどんどん取り組みを伸ばしていただきたいと思います。  それと同時に、今度、高等教育の無償化が始まると思いますが、専修学校・各種学校も無償化の対象にはなるのでしょうか、お聞きします。 徳大寺総務部長  現在、検討中ではありますが、俎上には載っていると認識しています。 香川委員  そうなりますと、先ほど、4割の方が県外の専修学校・各種学校に進学されると言われたのですが、無償で進学できるのであれば、経済的に余裕ができ、少々無理をしてでも都会のいい専修学校・各種学校に進学させることもふえてくると思います。そうなるとせっかくの人材が県外へ流出してしまう恐れがあるので、今まで以上に力を入れていただいて、たとえ無償化であっても県内の専修学校・各種学校のほうがずっと魅力があると思わせる施策を行っていただきたいと思います。  専修学校・各種学校は、香川県のためになっているということなので、これからもその振興に力を入れていただきたいことを要望して、質問を終わります。 山田委員  私からは、交通マナーの向上に向けた取り組みについて、お尋ねします。  昨年の県内における交通事故ですが、発生件数、負傷者数、死者数ともに全体として減少傾向にあるとのことです。とりわけ死者数は、昭和二十何年かに県が調査を開始して以来、一昨年は67年ぶりに死者数が40人台にとどまったということで、昨年も4人ふえたとはいえ40人台にとどまったとのことです。全体的には減少傾向に入っているということで喜ばしいのですが、全国的に見ますと、昨年でも、本県は人口10万人当たりの死者数では全国ワースト6位であり、13年ぐらい前から全国ワースト10位以内にとどまっているとのことです。  昨年暮れからは交通死亡事故が多発し、1月15日には「交通死亡事故多発緊急事態宣言」が出されました。交通事故を削減させるためには、取り締まりの強化や交通環境の整備、広報活動などさまざまな角度から総合的に対策を練っていかなければなりませんが、基本的には、県民の皆さん一人一人が交通マナーを心がけることが大事だと思います。  平成28年に、JAF日本自動車連盟が、交通マナーに関するアンケート調査を行っています。「あなたのお住まいの都道府県では、全般的に交通マナーはよいのでしょうか、悪いのでしょうか」との質問に対して、香川県民の回答された方の8割以上が「悪い」あるいは「非常に悪い」と回答され、全国の都道府県で本県が最下位だったそうです。また、平成29年の県政世論調査でも、県民の7割近くが、マナーが悪いと回答しています。  こういう状況に危機管理総局長は、どのような感想をお持ちでしょうか。今までもいろいろと取り組んでこられているとは思いますが、今後の取り組みについて、お考えをお伺いします。 土岐危機管理総局長  先ほど委員から御紹介いただいたように、JAFのアンケートや県民世論調査などにおいて、県民の皆さんは「交通マナーが悪い」と感じており、ウインカーは出さない、一時停止はしない、横断歩道に人がいてもとまらないといったことを感じているとのことです。これがひいては交通事故死者数が全国10万人当たりのワースト上位を抜け出せない原因の一つにもなっているのではないかということで、残念に思いますし、また、危機感を持って交通マナーの向上に取り組んでいかねばならないとも考えているところです。  そうしたことから、交通マナーの広報啓発は、一朝一夕にはいかないですが、昨年度からは、「命を護(まも)る、交通マナーを守る」をスローガンに、交通マナーの向上に重点を置いて、新聞やテレビ、ラジオなどさまざまな媒体を複合的に活用してキャンペーンを実施しているところです。
     昨年度は、ドライバーの方を中心に交通マナーの向上の呼びかけをしてきましたし、今年度は、歩行者の方もきちんと横断歩道を渡りましょうとか、反射材を身につけましょうなどといった、歩行者の方に守っていただきたい交通マナーについても啓発を行ってきたところです。  AIを活用した本県の交通事故分析を行っており、そこからいろいろな成果が得られてきていますが、交通事故がどんなところで多発しているかということや、本県では、脇見運転や漫然運転といった不注意の「発見おくれ」によって交通事故につながるケースが多いことなどがわかりましたので、来年度は、この「発見おくれ」による事故の防止を中心に置いた啓発を行っていきたいと考えています。  また、交通マナーの向上という意味では、隣県の岡山県も交通マナーがよくないことで苦労されているとのことです。御承知のように、2県はテレビの放送エリアが共通していますので、今年度、岡山県と連携していこうということで、両県知事に御出演をいただいて、ドライバーの交通マナーの向上を呼びかけるポスターやスライドを作成したところです。  本県では、JRやことでんの主要駅などにポスターを掲示するとともに、サンポート高松や商店街、瓦町駅のデジタルサイネージにもスライド放映を行ったところです。来年度に向けても、岡山県との共同事業として、交通マナー向上を呼びかけるテレビCMを作成するなどして、啓発を行っていきたいと考えています。 山田委員  広報啓発活動以外に、県では、平成25年ごろから、「交通マナーアップコンテスト」を行っていると思います。何人かのドライバーでチームを組んで、交通ルールの遵守を心がけながら、みんなで一定期間無事故無違反を目指すということです。そして、先般の本会議の代表質問で浜田知事は答弁の中で、スマートフォンを活用した安全運転コンテストを企画していると言われました。きょうの朝刊にも紹介されているのですが、その中身について詳しく教えていただきたいと思います。 土岐危機管理総局長  お話にありましたとおり、「交通マナーアップコンテスト」は、平成25年度から、家庭、職場、地域において5人一組のチームを組んでいただいて、交通安全意識を高めるということで、一定期間無事故無違反だったチームに抽せんでいろいろな景品をお渡しするコンテストです。  チームということで多くの方々に参加していただき、今年度も同じことを行いましたが、7割のチームの方については無事故無違反ということで、交通違反の防止等という意味においては、たくさんの人が気をつけていただいていることで、一定の成果は上がったと考えていますが、交通マナーの向上の点ではなかなか県民の意識も上がってこないですし、事業開始から6年間行ってきたのでいささかマンネリ化もしてきたということで、啓発効果の面からも来年度は少し事業内容を変えた取り組みを実施してみたいということです。  具体的な中身としては、最近いろいろなところでよく使われる、スマートフォンのアプリケーションツールを活用して、参加者それぞれの車の運転状況を直接診断して得点化して、安全運転を競うコンテストを開催したいと思っています。具体的には、運転状況を診断するためのアプリケーションをスマートフォンに入れていただいて、加速度センサーが内蔵された小さな車載機器をダッシュボードに置いていただければ、機器から得られたデータを、スマートフォンのアプリケーションが分析して得点を出すもので、急ブレーキや急発進、急ハンドルといった運転状況が計測、診断されて、運転終了後にスマートフォンで得点を確認できるものです。  最大で1,000台程度の参加者を見込んでいます。自分の運転スタイルがスマートフォンの画面でわかるということなので、ぜひ大勢の方に参加していただいて、自分の運転スタイルを見直すきっかけにしていただきたいと考えています。 山田委員  運転終了と同時に自分自身の運転状況が得点化され、スマートフォンで確認できるということで、参加者は、楽しみながら安全運転を心がけ、ひいては、交通マナーの向上につながり、おもしろい試みではないかと思います。  ただ、中高年を含めて、高齢者にはスマートフォンなどを持っていない方もまだまだ大勢いらっしゃり、そういった方たちに対して考えている事業などがあれば教えてください。 土岐危機管理総局長  御指摘のとおり、特に高齢者の方にはスマートフォンを持っていらっしゃらない方もたくさんいらっしゃるので、別途、民間事業者が開発した、GPSを利用して車の位置情報や運行状況をより詳細に記録できる車載機器を積んでいただいて、その記録を分析することで、交通マナー等を遵守した安全運転ができているかどうかを診断して、運転者に個別にアドバイスをする事業をあわせて実施することにしています。これは、コンテストではなく、一人一人の記録を分析してお返ししていくことで、より詳細なアドバイスができるのではないかと思っているところです。そして、そこで得られたデータを高齢者の運転傾向ということでデータとして把握し、今後の施策に役立てていければと考えているところです。  いずれにしても、高齢者については、さきの代表質問でもお尋ねがありましたが、交通事故死者数に占める割合が高く、高齢ドライバーの事故件数の割合も高いので、今後ともさまざまな重点的な取り組みを進めて、事故の防止に努めてまいりたいと考えています。 山田委員  いろいろと行ってください。一人でも多くの県民が参加できるようにPRもしっかりお願いします。交通マナーの向上に向けて今後の取り組みを期待していますので、頑張っていただきたいと思います。 西川委員長  以上で、総務部、危機管理総局及び公安委員会関係の質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) 西川委員長  御異議なしと認め、総務部、危機管理総局及び公安委員会関係の質疑、質問を終局いたします。  本日は、これをもって散会いたします。 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....